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企業によっては普通に盗聴している

「盗聴」のリスクがもっとも高い場所が、実は「職場」です。毎日通って日々の職務をこなすための「職場」での盗聴が、実はケースとしては一番多いものなのです。

「働く」ということは私たちにとって当たり前のことです。仕事を通じて社会に参画し、仕事によって得た対価で日々の暮らしを成立させているのです。生きているなかで一番通う場所、日々の生活の中でもっとも馴染みのある「自宅ではない場所」が、「職場」なのです。もちろん職場には仕事をしに行くのですが、あまりにも毎日通っているのでとても馴染んだ場所と化します。毎日見慣れた場所、毎日見慣れた自分の机、いつも使っているパソコン、電話、メモ帳にペンなど、日々目にするものは「日常」となっています。

職場には仕事をしに行きます。企業などに勤めているということであれば、「雇ってもらっている」ということになります。雇用主がいて、従業員としての自分がいるわけです。その仕事ができるのはその企業に雇用されているからです。そしてその企業には組織としての「目的」があります。企業として、会社として社会になにを提供するのか、世間に何を提供するのか、明確な「意志」があるわけです。中には「競合」を設定していたり、実際に他の会社と競っていたりする場合も多々あるでしょう。それらの企業の取り組みというものは、従業員ひとりひとりの働きが集合したものです。それぞれの従業員が自分の責任を果たした結果が、「企業活動」として総体的に反映されるのです。

その会社に雇われるまでに面接が何度もあるのは、その会社の「企業としての意志」を体現できるかどうかということが問われているわけです。その企業にとってその人材は組織に馴染めるのか、会社が進みたい方向に、しっかりと舵をとれるのか、さまざまなことが試されているわけです。それらの「審査」を経由した人だけが、その組織で働くことができるわけですが、面接は多くても3回から4回ほどです。そして一度にかける時間はせいぜい1時間でしょう。そのような短時間でその人の本質を見ぬくのは困難です。実際に働き始めてから豹変してしまうかもしれません。

そのような企業としての防衛策、自分たちが雇った人材に内側から喰われてしまわないかどうかということに対する防衛の一環として、「盗聴」が挙げられるのです。働いている従業員の言動を監視し、不正を行なっていないか、あるいは組織に対して背信的な意志を持っていないかを「言動」から判断するのです。そのような「職場での盗聴」は、「まさか」と考えている企業ほど行われているものです。従業員を「監視」することは、経営者であれば誰もが考えていることです。そして、毎日勤めているからこそ、気の緩みが余計な「言動」を招くことになるのです。

「仕事」は自分のものだけではありません。そして会社だけのものでもありません。社会を、経済を循環させるためのひとりひとりの「仕事」は、企業にとっては最前線であり、自分の組織を維持するための最小単位です。大きな会社ほどひとりひとりに直接コミュニケーションがとれないものです。ですから「盗聴」というカタチで、マークした人物の言動を関しするのです。残念ながら、このようなケースはどこにでもあるものです。

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