人間関係を明確にする盗聴
盗聴は知り得ない情報をしるための手段でもあります。世の中にはさまざまな人間関係があります。自分の親しい人が、良からぬ人間関係を持っているということもあるでしょう。
それが自分の「子ども」など、自分が責任を持って保護する必要がある人であれば、「知る」ということは保護者の責任かしれません。腹を割って話し合うということが望ましいのですが、思春期の子どもなどは「本当のことを言わない」、「話し合いにしら応じない」ということが考えるでしょう。そのようなときに進退窮まってしまい、結果ただ不安とともに静観するだけ、そして実際に自分の子どもが良からぬこと、反社会的なこと、犯罪などに手を染めてしまっていたら、と思うと身が震えることでしょう。
それだけではありません。自分の夫、自分の妻、浮気をしていないかどうかなど、疑わしいことを見つけてしまった、感づいてしまった場合、そのままにしておくのはどうでしょうか。人間関係に微妙な「疑惑」があるまま、ともに生活していくことになります。耐えられるでしょうか。もし実際に浮気をしていたら、自分の知らないところで新しい関係をつくってしまっていたら、そのまま泣き寝入りすることになるのでしょうか。
「知る」ということは、人にとって辛いものでもあります。ですが、破綻するときに「知らされる」よりも予め自分が「知っている」ということの方が少しは楽なのかもしれません。一方的に知らされて、壊されるよりも、こちらから能動的に「知る」ということの方が有効な場合もあるのではないでしょうか。誰もが「自分の家庭を守りたい」のです。自分が大切に思っている人に対しては、自分が期待するような人でいてほしいのです。ですが、それが思い通りにいかない場合もあります。自分が知らない一面を持っている場合もあるのです。そのようなことを突然告げられるより、予め知っていたいのではないでしょうか。
もちろん、そのようなことが相手にバレてしまえば、相手との関係が決定的に壊れてしまうこともあるでしょう。相手は納得しないでしょう。ですが、それでも「知りたい」のであれば、意を決して知る必要があります。そのための手段として「盗聴」があるのです。自分の疑問を晴らしたい、このまま疑い続けるのは耐えられない、相手を信じたい、安心したいという気持ちを満たすための「盗聴」があるのです。
盗聴したことがわかってしまうと、相手は傷つきます。ですが、盗聴しないとこちらが傷ついているのです。難しいものです。盗聴しなければ解決しない問題がそこにあるのだとしたら、どうしても解決しない問題がそこにあるのだとしたら、どうしても盗聴する必要はあるのでしょう。
大切なのは、なんでも言い合える関係を維持しておくということです。なんでも言い合える、どのようなことでもわかりあえる、隠さない、自分がしたいこと、相手がしたいこと、考え、気持ちなどがすべて理解し合える関係を作り上げておくことです。「家族」は一番身近な人間関係です。一番身近で、一番理解し合う必要がある人間関係です。そのような関係をどのようにして維持していくか、そのような関係をいかにして守るか、私たちは日々そのような大切なものと向き合って生きています。信頼を疑うことは悲しいことです。信頼を裏切ることも悲しいことです。ですが、どうしても居ても立ってもいられないときというものもあるのです。
