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録音して回収することも盗聴

盗聴器にはたいてい「電波」などによる転送機能が備わっています。それは仕掛けた盗聴器本体の半径数メールから十数メートルに接近しなければ受信できない微弱な電波で、盗聴器をしかけた人はその距離まで接近しなければ「聴く」ことができないのです。

ですが、近年、めまぐるしく発達している電子機器は、「盗聴」の可能性を広げました。「その場で聴く」必要がなくなったのです。仕掛けた盗聴器を「回収」することができるのであれば、別にその機器が「電波」で発信しなくても盗聴が可能なのです。「録音する」ということです。以前であれば「テープレコーダー」などの機械、あるいはボイスレコーダーなどの機械でなければ録音などはできなかったものです。そしてそれらの機器はひと目で「それ」とわかるようなものばかりでした。また、「録音できる時間」もせいぜい数時間だけであり、その用途は「会議を録音する」であるとか、「インタビューの記録」などといった用途に限られていました。

ですが近年さまざまなカタチのICレコーダーが販売されています。それはひと目で「レコーダー」とわかるようなものではなく、たとえば「電卓」のカタチをしていたり、「ペン」のカタチをしていたり、カード型で極薄になっていたりと、実に多様なカタチをしています。「そこにあっても違和感がない」ようになっているのです。仕掛けられた人が「録音されている」ということがわからないほど、実に巧みに製作されたものばかりです。実際に「電卓型」といっても電卓として使用できたり、「ペン型」といってもペンとして実際に書くことができたりすれば、「そこ」にあったとしてもなんの違和感もないのです。

堂々とそこに存在することができ、堂々と録音することができる。しかも、最近の製品は「長時間」の収録が可能になっているということから、必ずしも「盗聴」はリアルタイムの電波を拾う必要がないのです。そのようなことを考えると、世の中は「盗聴」の可能性に溢れています。誰もが持っている「携帯電話」、「スマートフォン」などでも盗聴は可能です。「あとで聴く」ということが実現されるようになってから、盗聴する側と、それを防ぐ側の戦いは泥沼と化したといえるでしょう。怖いのは身近なもの、「それ」と思って特段疑っていなかったものが「音声を録音しているかもしれない」ということです。

そのようなアイテムの数々が、私たちの「情報」を脅かしているのです。「自分はまさか盗聴なんかされないだろう」と考えていても、その油断につけこまれることもあります。一番怖いのは「会社」です。複数の人が集まるその場所で、心にもない人、もしかすると同僚が、アナタの情報、言動を探っているかもしれないのです。そのような現実に「気がつけない」ことが一番恐ろしいことで、知らない間に自分が監視されているということはとても気持ちが悪いものです。

このような脅威に対しては注意のしようがありません。いくら気をつけようと思っても、仕掛けられてしまってはそこまでなのです。一旦仕掛けられたが最後、相手が満足するまで盗聴は続きます。そのような自体に対処するためには、「人に聴かれては困ること」は口にしないようにするということです。プライベートなこと、会社に対して「聴かれたらまずい」と思うようなことは、言わないのが一番いいのです。

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